僧侶の呼び名
- 真光寺
- 2022年5月13日
- 読了時間: 3分
みなさんは僧侶のことを何と呼びますか?
また何通りの呼び方をご存じですか?
今回は僧侶の呼び方についてご紹介したいと思います。
まず一つ目はみなさんも聞き覚えのある方も多いと思いますが「お坊さん(おぼうさん)」です。
法事などで小さなお子さんと一緒に来られた際に親御さんが「今からお坊さんがお経称えるんだから静かにしておかないといけないよ」などと注意している声をよく聞きます。
この「お坊さん」の由来としては僧侶の住まいのことを僧坊と読んだことに起因します。
僧坊に住んでいる人から転じて「お坊さん」と言うようになったそうです。
また「坊」を使う言葉に「坊主」という言葉がありますが、こちらも僧坊の主というところから転じて僧侶一般を表すようになり、その姿から剃髪やそれに近しい髪型の人を意味する言葉になったようです。
次に二つ目は「和尚さん(おしょうさん)」です。
こちらも聞き覚えがあったり、このように呼んだことがある方も多いのではないでしょうか?
この「和尚」という字は宗派などによって読み方が様々で一般的には「おしょう」、浄土宗的には「かしょう」と読みます。
また浄土宗においては伝宗伝戒道場という修業を修了した僧侶のことを「和尚」と呼ぶことになっているので修業中の僧侶のことは「和尚」とは言いません。ちなみに修業中の場合は「小僧」などと呼ぶ場合が多いです。
また地域によっては「おしょうさん」が訛って「おっさん」という地域もあるそうです。
その地域では若い僧侶でも女性の僧侶でも「おっさん」なのでしょうか、、、?(中年男性を指す「オッサン」とはイントネーションが違うそうです)
三つ目は「住職(じゅうしょく)」です。
これもよく使うことばですね。
「住職」は元々「住持職」の略称で寺院を代表する僧侶を表す言葉になります。住職になるためには必要な資格などの条件があり、さらに浄土宗に申請をして認可された人がようやくなることができます。各寺院に住職は一人のみであり、その一人が辞任や死亡などしない限り交代することはありません。その代わり「住職」を補佐する立場として「副住職」という立場などがあります。似た言葉として「方丈(ほうじょう)」という言葉もありますが、こちらは禅寺で使うことの多い言葉のようです。
四つ目は「台下(だいか)」です。
この呼び方はなかなか聞かないかなと思います。
この呼び方は元々、高位の人に対する敬称でしたが、これが転じて浄土宗では大本山の法主(ほうしゅ/ほっす)[その寺院の中で一番偉い和尚。大本山の住職。]を表す単語として使われています。つまり日本中を探しても浄土宗の「台下」と言われる方は7人しかおられません。
五つ目は「猊下(げいか)」です。
この呼び方もなかなか聞かないでしょう。何といってもこの呼び方をされる僧侶は浄土宗で一人だけですから。
「猊下」と呼ばれる僧侶は総本山知恩院の住職であり、浄土宗の代表である浄土門主(じょうどもんしゅ)です。副住職も伝宗伝戒道場において今の猊下であられる伊藤唯眞猊下から教えを授かり、僧侶としての修業を修めさせていただきました。
このように様々な立場や僧侶の修業具合によって呼び方が異なりますので注意されてください。何と呼べばいいか迷った際にはぜひご相談ください。
おまけ
僧侶の名前を色々とご紹介してきましたが、住職の奥さんのことも寺庭や坊守といった名前がありますので気になる方は是非調べてみてください。
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